名前で呼ばねぇでくだせぇよ

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 明日からもう彼に会えないだろうなと、残された俺はさみしく思う。 ココを出てキャバクラへ向かった父とも会えないだろう、会いたくも無いが。 というか、そもそも親父にはココへ戻って来る気なんぞ無いのである。  父が俺に丸投げした仕事とは、坂浦組を裏切り、組の資金を横領する事だ。 組、いや会社の裏帳簿や政財界と繋がる情報もリークし、組織がその対応に追われる合間、新しい女神と崇めるキャバ嬢と逃避行する計画を立てていた。 金は山分けだとは言われているが、逃亡計画の中に息子の俺はいない。
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