名前で呼ばねぇでくだせぇよ

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「お前も大人みたいなもんだし、20になったら息子をココから出すって社長とハナシはつけてるから、上手く隠した金を使って好きに生きろよ、な?」  そんな調子のいい事をのたまう父は、残された大罪人の息子がどうなるか、生まれた時からこんなトコにいる俺が外へ出てどうなるなんて頭に無かった。 彼の頭にあるのは、人生を滅茶苦茶にした(ババァ)との間にできた息子なんか捨て、新しい若い女神と共に生きる事だけなのである。  まぁ正直、俺もそろそろ、こんな状況からは抜け出したいように思う。 父は俺を捨てるつもりだが、俺だってイカれた親父から解放されたいのだ。
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