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魔力の扱い方
「じゃあ魔力の扱いかた、増やしかたを教えるね。まあ、魔術を使っていたら少しずつ増えるものなんだけどね。まずは、炎を出すところから。自分の手から炎が出ているところを集中して想像したら…ほらこんな感じ。」
私の頭を置いてけぼりにして説明された。普通に炎なんて出せそうにない。集中して、想像して…
「…私の手から炎がでる~…」
おまじないみたいに唱えてみたり、色々やってみたけれど全然でない。ちょっとでも出たらやる気が出たのに。もう諦めてしまいそう。
それから三十分ほど経っても出なかった。どうやったら出るのか、とても不思議で仕方ない。
「今日はそろそろ帰ろうか。明日、またやろう。」
優しく言ってくれたけれど、その時の私には癪に触ってしまった。
「何言ってんの、ろくに教えれないくせに。」
バタンと扉を閉めて帰った。いわゆる八つ当たりだが、そんなものは気にしない。きっと冷静になっていたらわかっていた。けれど、もう後戻りはできない。ごめんと謝ることもできないし、明日、シェルバーさんの所にも行けない。私が悪いから。
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