3人が本棚に入れています
本棚に追加
入れ替わり
私は急いで自分の部屋に行った。早く自分の部屋で彼と…
「こんなところで下働きが何をしているんだ」
兵士だ。ここで上手くごまかせればきっと大丈夫だ。
「えっと、道に迷ってしまって…」
めちゃくちゃ怪しいヤツになってしまった気がする。早くしたいのに。
「ほんとか?まあいい。どこに行きたいんだ。」
「私の部屋…いえ、なんでもないわ。」
ミスった。ここはもう逃げよう。スッとサッと逃げる。
「こらー!」
私はついいつもの癖で廊下の鏡を見てしまった。そしてそこには私ではない誰かが映っていた。エメラルドグリーンの髪、淡い赤色の目。そして、この使い古しのメイド服。明らかに私じゃない。
「いたぞ!こいつだ」
また来てしまった。私は走る。礼儀も恥も身分もないけれど、自分の部屋へ行くために。
「は~もう無理よ」
やっと扉の前まで来た。けれどもう疲れて動けそうにない。いっそむこうから出てきたらいいのに。
「ではお嬢様行きましょう。」
「わかりました。」
出てきた。私が。目の前に私がいる。そして目が合ってしまった。やっぱり言うべきだ。
「私の体を返して!」
「さあお嬢様気にしないで行きましょう。」
「ええ。もちろんです。」
彼女、見た目は私、中身はティナは行ってしまった。そして目が少し笑っていた。
最初のコメントを投稿しよう!