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魔力検査Ⅰ
コンコン
「失礼します。エス…ティナです。魔力検査に伺いました。」
やっぱりなんとも言えないにおいが漂っている。どうして気にならないのだろう。
「入って…」
そう言いながらもまだ、何か実験をしているように見える。そして部屋も服装も綺麗とは言えない。人を連れてきて掃除をさせたいくらいだ。下働きの部屋よりも汚い。
「あの~どうしたらいいでしょう?」
「そこ座ってて。」
私はそう言われて比較的綺麗な椅子に座った。ぱっと見しか見ていなかったが、よく見るとアンティークな飾りが多い。けれど、私の好みではやっぱりない。
それから約一時間が経ってしまった。けれどずっと何も言われない。うたた寝をしてしまうくらいだ。そして、少しにおいにも慣れた気がする。魔法使いの方を見るが、まだ何かやっているようだった。
「あの、それで私は…?」
「忘れてた。検査、時間かかる。明日来て…。」
「え…。」
せっかく来たのは何だったのか。一時間も待って、においもあれだったのに。
検査も早く終わらせてもうここに来ないようにしないと。
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