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二人の話
「お嬢様、朝食を持って参りました。カルラです。」
「入ってちょうだい。」
ドア越しに声が聞こえる。そして先輩の名前はカルラというらしい。覚えとかないと。
「ここに置いてちょうだい。置いたらティナだけ置いてすぐに帰って。」
「…かしこまりました。」
なにそれ。おかしくない?私がいた時はもっと人がいたのにどううしてこんなに減っているわけ?理由がわからない。そう思っているうち先輩が外に出てしまった。
「先輩…」
「そうだ、ティナ。こんな幸せな生活ありがと。私こんなに令嬢って幸せだなんて思ってなかった。下働きってどんなに堅苦しいんだろうってよくわかるよ。私の日頃の行いを見ていた神様がこんなに幸せにしてくれたのよ。」
「だから何?」
私はあいつの言い方に腹が立って仕方がなかった。こんなに嫌味に言ってくる人は初めてだ。
「それから、あなたが大好きな彼、私がもう好きじゃないっていったらとっても喜んでいたわ。そんなにあなたのことが嫌いだったのね。言いたいことは言ったから帰っていいわよ。ほら早く。」
「何お前。どうやって私と入れ替わったんだ。教えろ。」
「今は私の方が立場が上よ。帰りなさい。」
絶対におかしい。こいつはどうやって私たちを入れ替えたのか。それだけがずっと頭の中で回っていたのだった。
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