魔力検査Ⅱ

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魔力検査Ⅱ

あいつと話した後は城の掃除場所や、そのやり方、洗濯などの方法を先輩に教えてもらった。けれどやっぱりあいつの謎のことを考えていると頭には入ってこない。明日には忘れているだろう。そういえば、今日、あの魔法使いのところに行くって話をした気がする。そのことまで忘れていた。もう夜だ。今更行っても大丈夫だろうか。まあいいだろう。きっといい気がする。 「すみません、昨日来たティナです。」 今日は返事がない。もしかして来たらいけなかった?ドアを少し引いてみる。不用心にドアがあっさり開いてしまった。 「あの~魔力検査の…」 長椅子に座っていたのは昨日見た人とは似ても似つかない人だった。とても綺麗な顔立ちでつい、ガン見してしまうくらいだ。けれど魔法使いさんは私を見るとすぐに立ち上がって奥の部屋に行ってしまった。私はどうしたらいいか分からなくなった。けれど戻って来なかったら帰ろうと思って待っていた。 それから1,2分で帰ってきた魔法使いさんは前に見た時と同じ見た目に戻っていた。これも魔法なのだろうか。そして魔法使いさんが口を開いた。 「検査、これ触る。」 そう言われて指したのは15センチくらいあるだろう水晶だった。半透明で青みのある水晶は宝石のようにも見える。私は恐る恐る触れてみた。すると、一瞬水晶が光った気がした。 「魔力、少しある。」 状況から考えると、水晶に触れて光るかどうかであるかないかなどが決まると思う。これで仕事から解放されて自由になれる。 「本当に少し。頑張らないと意味ない。」 「何を頑張るの?」 「魔力増やすの頑張る。使い道ない。」 そんなに私の魔力少ないの?本当に少しってそれでも、使い道くらいはあると思ってたのに。残念だ。これじゃあ今と生活変わらないじゃん。人生どん底のままだ。 「毎日ここ来る。増やすの教える。おまえ、部屋片づける。」 おまえ…。まさか二人称がおまえだなんて。なんだか思ってたのと違う。そして私、片付け出来ないと思うけど。まあ明日先輩にコツを教えてもらえればどうにかなるよね。魔力増やしたいし。増えたらあいつも倒してやる。元々の私の体には魔力はないから学校なんて行かなかったし。 「じゃあまた明日来ます。」 これから毎日大変そう…。
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