自分と魔法使いの片付け

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自分と魔法使いの片付け

「片付けの方法を教えてください。」 早速先輩に頼んだ。今日の夜にやらないといけないからだ。 「いいけど、急にどうしたの?」 「ある人の部屋の掃除をしないといけなくて。」 「…誰かしら…男性?…わかったわ。」 先輩、何かボソッと言ったけど何だろう?まあ教えてくれるならいいよね。 先輩に今日中に覚えたいと言ったら、長い間放置されていた部屋に連れていかれ、徹底的に教えられた。正直厳しかった。拭き掃除のときに拭いた跡がないかめちゃくちゃチェックされるし。おかげでそれなりに掃除ができるようになったし、この部屋も綺麗になった。約半日掃除をしていた訳だからあっちこっち痛いし疲れた。ここから魔法使いさんと会ってと思うと大変だ。 それから明日からは普通に仕事が始まるらしい。先輩ともお別れだ。今日で下働きを始めて3か月らしい。誰かに仕えてそこで働くとか。先輩は元々の私の姉に仕えているらしい。誰かに仕えるのはいいけど、あいつのところは嫌だ。絶対に。 こんなことを考えながら歩いているともう塔についた。掃除道具を持ってきたから余計にしんどい。きつい。 「失礼します。ティナです。」 「ああこんばんは。」 なんか性格違うし、美少年のほうになってる。肌白いし、髪もさらさらだし、服は変わらないけど。魔法って不思議だ。 「びっくりしてるね。僕はシェルバー。よろしくねティナちゃん。」 「変身ですか?」 「ああ、あれね。あれは魔力があるかないかだよ。こっちの僕は魔力がない。それだけだよ。」 それだけと言われても…。詳しく聞くと、魔力がありすぎて体から自然とあふれてきて困っていたシェルバーさんが新しい呪文を使って魔力のない理想の自分を作ったらしい。魔力がありすぎるとそれはそれで大変なんだなと思う。 「わかったところで、先に掃除をお願いするね。」 「わかりました。」 ため口でもいいよと言われたけれどやっぱり身分が上の人の前ではいい子にするのが基本だからため口にはしない。箒を持って先に埃やゴミを掃く。それからいろいろ手順をふんでとりあえず今日の掃除は終了。少しずつでいいみたいだから。
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