この気持ちは何

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そのあと、美味しい、美味しいと言いながら、子どもみたいに私の作った料理を食べてくれた神代くん。 今までは生きるためになんとなくご飯作っているようなもんだったけど、こうやって反応してくれるとやっぱり作りがいがある。 気分の良くなった私が「次は唐揚げ作ろっか」と提案したら、「え、いいんすか?俺、唐揚げ一番好き」なんて瞳を輝かせるから、心臓が鷲掴まれたみたいに苦しくなった。 「ごちそうさま、美味かったです」 「いいえ、お粗末様でした。」 ペロリと平らげた神代くんに小さく笑みをこぼしつつ、私も残り僅かになったパスタを口に放り込む。 「まだお茶飲む?」 「え、自分で注ぎますよ」 「いいよ、私が飲むついでだし。」 神代くんのコップに入ったお茶が半分を切っていたので注いであげる。私のコップにも少しだけ注ぎ足した。 咀嚼を終えてから空になったお皿をふたつ手に持って立ち上がると、神代くんも立ち上がろうとするから「座ってて?」と、また制止する。 キッチンに到着すると、お皿を水につけて、スポンジに洗剤をつけながら、ここに来る前に寄ったスーパーで桃を買ってきたことを思い出して。 「ねえ、桃買ってきたんだけど、食べる?」と尋ねると、「食べる」と言ってにっこり笑う神代くん。 嬉しそうな顔にこちらまで嬉しくて、急いで皿を洗って冷蔵庫から桃を取り出した。 包丁で種の周りをぐるりと一周切って、両手で実を捻ると簡単に実が種から外れる。 ふわっと香る桃の香りにひとりにやけていると、背後から腹部に回った腕。 「…せーいなさん。」 「っ、わ!」 刹那、耳に触れた息に思わず肩を持ち上げた。
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