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神代くんには…いなくならないで…ほしいんだ。
いつか、嫌いになられるくらいなら…いっそ。
「…」
「…聖奈さん、」
神代くんの心配そうな声にハッと我に返る。
「顔、青ざめてます。そんなに…嫌ですか？付き合うの。」
「…そんなんじゃ…ないけど。」
歯切れの悪い答え。自分でも優柔不断で嫌になる。
はっきりと、付き合えないと言えばいいのに。結局は、神代くんに好かれているという今の状態が心地いいんだ、きっと。
なんて、性格の悪い女だろう…。
元彼が私の時間を奪った罪と同じくらい、私が神代くんの時間を奪うのは罪深いことで。
私なんかやめて、もっと若くて可愛い子にした方がいいっていうべきなのにね？
どうして、言えないんだろう。私しか知らない、優しい神代くんを誰にも見せたくないって思ってしまうんだろう。
中々口を開かない私に神代くんがため息をつく。
ああ、呆れられたな。私が気持ちを言うまでもなく、神代くんの方から「もういいです」って言われちゃうんだ。
そう、覚悟した時だった。
「ああ、俺って待つのが一番苦手なんすけど。」
「…え？」
「聖奈さんのためなら、頑張ってあげてもいいです。」
「っ、」
不貞腐れたように口を尖らせた彼は、私の頬を軽く引っ張りながらそう言った。
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