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彼の指すゴールが何かは…分からないけれど、いつかその未来を私も信じられる日が来るだろうか。
でも、取り敢えずは…こんな優柔不断な私でも、それでも彼がそばにいたいと思ってくれることが嬉しくて、嬉しくて堪らなくって。
「…うぉ、っと、」
彼に強く抱きついた。そうしないと、胸がときめきで破裂してしまいそうだった。
「神代くん、…ありがとう」
それに続く、「好きだよ」の気持ちは飲み込んだ。
こんな中途半端な状態で口にするのはあまりにも失礼だって思ったから。
いつか、神代くんから愛されるような自分を信じられるようになったら…きっと、私からちゃんと伝える。
だから…それまでは…。
「…。ああもう、やっぱ待てないかも。」
「え?」
感謝の言葉を伝えた途端、苦い表情をする彼に首を傾げると、私よりも遥かに強い力で抱きしめ返されて、ぐえっと妙な声が出る。
「可愛すぎ。やっぱ、彼女がいい。俺のにしたい。閉じ込めたい。」
「…は、?…あ、あんたねぇ?」
閉じ込めたいって…
駄々っ子みたいに喚かれて、困る反面…ちょっとだけ可愛いなんて思ってしまう私…多分すでに沼にハマってると思う。
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