君とお部屋探し

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…珍しい。こいつが潮らしいなんて。 もしかして、ちょっと反省してたりする? 大きな体を縮めてしゃがみ、甘えるようにのし掛かる肩の重みに…ちょっとだけ意地悪心が疼いて。 「怒ってる、って言ったら?」 「…、ちょっと、やり過ぎたな。とは…」 「どのあたりが?」 「聖奈さん…やめてって言ってたのに、強引…だったかもしれない」 「かもしれない」じゃないだろうが…とは、思うものの。 「…ごめん、なさい」 「…」 …誰なのよ、この可愛い奴は。 素直に謝る彼が、可愛くて可愛くて…さっきまでの強引な彼とのギャップで、さらにギュンときてしまう。 肩にある、彼の後頭部にポンっと手を乗せる。 それから、犬でも撫でるみたいにわしゃわしゃと手を動かすと、「…ちょっと…!」と、嫌がられて、それもまた可愛い。 「柄にもなく謝って、可愛いとこあるじゃん。」 「…っ、…人が、せっかく」 振り返って笑いながら言えば、神代くんは不服そうに顔をしかめて目を逸らす。 そんな反応がいつもより子どもっぽくて、怒っていたのなんか忘れて甘やかしたくなってしまう。 「ちゃんと、反省したの?」 「…ん」 「もう、会社とか人に見られるかもしれない場所でこういうことしないって約束できる?」 「え、」 「え、じゃない!」 まだ反省しきっていないらしい神代くんをわざと睨むと、口を尖らせながらも嫌々頭を縦に振る。 ふふ、怒られた後の子どもかよ。 「じゃあいいよ、私も…途中流されちゃったし。」 「だよね。」 「は?」 「…あ、ごめん、嘘です。」 即座に謝る神代くんに思わず笑った。
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