8441人が本棚に入れています
本棚に追加
「傷ついてる聖奈さんを甘やかしたいのに、逆に傷つけて、…何やってんだろうな俺。」
「…神代、くんは…悪くなくて。」
「聖奈さんも悪くないよ。…ちゃんと、気持ち伝えてくれてありがとうございます。」
「…」
ねえ、どうして…そんなに、優しいの?
そんな風にされたら、…尚更、失うのが怖くなるよ。
君に依存して、君なしじゃ生きれなくなるのに…これで裏切られでもしたら…、
「俺は、聖奈さんを一人にしたりしない。」
「…」
「裏切らないし、撫でることはあっても絶対に殴れません。」
「そんなの、」
「口だけに思われても仕方ない。でも本当。…もう、信じて、なんて言いません。信じてもらえるまで…好きだって伝えますから。
だから、…元彼じゃなくて、…ちゃんと、俺を…見てください」
真剣な声に全身がジリジリと痺れる。唇が震えて涙が出てしまいそう。
神代くんが、今…どんなに辛いか。
最低な元カレたちと同じようになるかも、と失礼なことを言われて、どれほど心外かは、…計り知れないほど。
それなのに、どうしてそんな暖かいことが言えるの?
いつも意地悪なのに、調子に乗ったら手をつけられないくらいの変態のくせに、…私は彼のその心根の綺麗さを…心から愛おしく思う。
最初のコメントを投稿しよう!