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「仲良いね。姉弟みたい。」
「へ、…きょ…姉弟…ですか、」
杉本さんの何気ない言葉。
「違いますよぉ、こんな手のかかる弟いりません。」って即座に笑って否定しなくちゃいけないのに…
顔を引き攣らせる私は馬鹿じゃなかろうか。
なーにをリアルに傷ついてんだ、バカ聖奈…!
今の流れを見てカップルだと思われるはずがないのは分かってるじゃないか。
…ていうか、付き合ってるのバレたら困るわけだし、むしろ姉弟って思われた方が…ね?
と…心の中で必死に自分を励ましたけれど、
周りから見たら私と竜聖って、ただの姉弟に見えてるんじゃ…なんて考えれば…
アラサー年上彼女としては地味ぃーに大打撃…。
動揺を隠しつつ、ヘラリと顔に笑顔を貼り付けていると…
「…弟って、
…俺、間違われるんならカップルの方がいいんすけど」
「…っ、」
この大馬鹿者。しれっと爆弾を投下しやがった。
弾かれたように彼の方を振り向き、「何言ってんの?!」と目を釣り上げると、必死な私をバカにするような飄々とした態度で私を一瞥する。
「別に?思ったこと言っただけですが?」
「…な、…勘違い、されるようなこと…言わないでよ…っ、」
「俺はむしろ勘違いされたいですけどね。」
「…っ、も、もう…!」
余裕たっぷりに目を細めて悪戯に笑う彼の表情を見れば、これ以上何を言ってもダメだと諦めがつく。
だって、こいつ私の反応見て楽しんでるもん…。必死に嘘つく私を馬鹿にした目してるもん…。
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