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「ふ、んん…」
「声、可愛いけど…ちょっと我慢してね」
「ん、」
わ、分かってるわよ、そんなこと!
でも、我が物顔で遠慮なく胸を揉みしだき、尖り切った部分を指でクニクニと弄られれば、嫌でも変な声が出る。
コツコツ、と廊下から音が聞こえる。低く振動する男の人の声も。
「…っ、く、」
気がついた瞬間身体をびくつかせて、必死に唇を噛んで声を我慢する私に神代くんは、
「ああ、ゾクゾクする。声我慢してんの、可愛すぎるんだけど」
「ふ、…ぅあ、ン」
「無理やり鳴かせたくなるなぁ、」
「…バッ、か、」
顎を掴んで無理やり私の口を開き、そこからするりと口内に舌を滑り込ませる。
私よりやや体温の低い、柔らかい感触にすぐに頭がぼうっとして。声なんかもうどうでも良くなりそう。
でも、ここは会社で、こんなことする場所じゃなくて。
この同じ建物で…みんな真剣に働いている。
ギリギリの理性を必死に保って、声を我慢する代わりに、彼の襟元に必死にしがみつく。
ドアの向こうから足音が遠のいて、意地悪な彼はここでようやく唇を離す。
離れた瞬間、プハッと大きく息を吸う私を馬鹿にしたみたいに鼻で笑う神代くんにすっごくムカついた。
年上のくせに、余裕ないと思われてる?…まあ実際そうなんだけど!
「あんた、頭おかしいの?外の人にバレたらどうすんのよ」
「んー、そんなことより涙目で必死に睨んでくる聖奈さんが可愛くて。ごめんね、俺って素直で真っ直ぐだから」
「…いいように言うな!」
噛み付くように怒ったのに、全然ダメージを受ける様子もなく「はいはい、ごめんね」と額に触れるだけの口付けを落とす。
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