世界観設定

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世界観設定

【世界観】  始まりの龍イグドラシルの鱗である浮遊物質が大陸に溶け出して、大地が空に浮かび始める。世界は大きく3つの領域に分かれていて、それぞれの領域を以下の名前で呼ぶ。 ・天空世界  高度10kmを超える、雲の上の領域。人類が都市を築いて暮らしている土地。浮遊した大地は全てが繋がっているのではなく、いわば様々な大きさの島がいくつも浮いているという状況。天空都市フラマリアは領地が一番大きい。外れには浮遊大陸アウロラが存在しており、天空都市フラマリアで生活することを好まない人達が暮らしている。  空中世界や地上のように大型の動物がおらず、人類にとって安住の地である。農業や畜産業の他、狩猟ライセンスを持つ一部の人間は、空中世界の生物を狩って食料にしている。単なる趣味のためだけに生物を狩る、違法行為を犯す人間も存在する。  雨雲から水を掬って貯水しており、わたあめを溶かしたようにほんのりと甘い味がする。地上や空中世界に比べると寒いため、人類は防寒具を常に着けている。天空の下には雲海が広がっているため、空中世界の大地や地上は滅多に見ることがない。 ・空中世界  高度10km以下の空中の領域。人間の2~5倍の大きさの生物が生息している。下層に行くほど生物が大きくなっており、空を飛ぶ生物が多い。地上と比べるとやや寒い。大型の鳥、昆虫、ドラゴン、羽の生えた哺乳類などの他、羽が生えていないのに空中を泳ぐクジラなど、なぜ飛べるのかわからない生物もいる。空飛ぶクジラ、エウロパに至っては、空中世界の中では珍しく人間の20倍のサイズがある。 ・地上  天空世界や空中世界と比べるとだいぶ暑い(天空の寒さに慣れ過ぎた人類にとっては暑く感じるだけ)環境。人間の5~20倍の大きさの生物が生息する弱肉強食の世界。元々、人間は地上に住んでいたが、大災害が起きて地上の一部が空に浮かび上がった。  赤い鉄塔、赤いレンガ造りの駅舎、超大型の吊橋など、遥か昔に文明が発展していた痕跡がある。数千年前、空害も化け物も特殊な植物達も存在しない、言語も違う「ごくありふれた文明」が存在したと推測される。 【施設】 ・水資源組織『ティアーズ』  飲料水や工業用水を確保するための組織。アトラが所属している。普段は狭間の雲の表層で水を確保するのが仕事だが、やむをえず空害と遭遇してしまったときのために、ある程度の戦闘技能は積んでいるが、緊急事態外での交戦は原則禁止とされている。 ・対空害組織『ナイトホークス』  空域侵犯の対象となった空害を撃退するための戦闘集団。ただ殺すのではなくそこにはルールがあり、礼節があり、敬意がある。そこに己の信じる「正義」があれば善にも悪にもなる。殺した獲物は空害研究組織『ラビリンス』に提供する前に祈りを捧げる。 ・空害研究組織『ラビリンス』  空害の生態、進化過程を解明する組織。また、対空害用の武器も作り出す。 ・無法者集団『アンビリーバーズ』  興味本位や快楽のために空害を殺す無法者集団。集団とは言うもののチームの繋がりはなく、個々が好き勝手に活動している。『ナイトホークス』とは敵対関係にある。 ・輸送蜂施設『フーディエ』  リリンの働いている組織。人間を運ぶためのミツバチを手配したり、人間に懐くように養蜂したり、ミツバチ用の防寒具を作る施設。月ニ回、人々の娯楽やミツバチのストレス発散などを目的としたミツバチレース『イエローバレッド』を開催している。 ・防龍シェルター『モルガナ』  地上の地下に建てられた図書館。元はイグドラシルから逃げ延びるために作った防龍シェルターだったが、やがて化け物が蔓延るようになってからは武器庫件、知的財産保管庫を兼ね備えるようになった。アトラとエンの活動拠点になっている。 【用語】 ・空害  人類に仇をなす、狭間の雲を生息地とする機械型カメレオンや昆虫、動物などの総称。元は普通の動物や昆虫だったが、始まりの龍イグドラシルの鱗や血肉を摂取したことで凶暴性や浮遊能力を得た。 ・狭間の雲  天空世界と空中世界を隔てる雲の領域。表層・裏層・深層の3つに別れており、下に進むほど空害の凶暴性が増したり、雲の性質(硬い・痺れる・眠気を催すなど)が人間には耐え難いものになっていく。雲の厚みがあるおかげで空害が天空世界まで飛ぶことはない。 ・空域侵犯  まれに狭間の雲を抜ける空害が出現して、人類に危害を加わる恐れがある空域まで侵入すること。攻撃性があろうとなかろうと、空域侵犯の対象となった空害は迎撃される。 ・浮遊物質  天空都市を浮遊させる正体不明の原石。触ってみると冷気を纏っているかのように冷たく、青白く発光を繰り返している。光の加減が強ければ強いほど物質エネルギーが強く、弱ければ弱いほど物質エネルギーが少なくなっている目安になっている。その実態は世界を作ったとされる始まりの龍、イグドラシルから剥がれ落ちた鱗である。
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