二章. 前前夜 〜決意〜

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二章. 前前夜 〜決意〜

日曜日だった今日。 計画通り、午後から彼女の好きな映画を見に行った。 …大きな誤算。 優しく明るく綺麗な容姿とは裏腹に、彼女はホラーやオカルト物が大好きだったのである。 オバケの苦手な僕は、楽しそうな彼女の腕にしがみついて、順調に減っていくバケツサイズのポップコーンを見ていた。 そして、映画の後はいつも決まって、併設しているゲームセンターではしゃぐ沙織さん。 今日こそは! と思っていた僕だったが、そんな雰囲気にはとてもならない。 でも、やっぱりあの笑顔は好きだった。 そして彼女は、いつも18:00には帰って行く。 コンビニに寄り、暫く迷った挙句、雪見だいふくを買って帰った僕。 蓋を開けて、幸せそうに並んだ姿を眺める。 なんだか勇気が湧いて来た。 やわ餅アイスでは得られなかったはず。 食べ終わる頃。 明日、課長は出張で、他は在宅ワーク。 初となる大仕事の設計図を済ませた後。 告白することを誓ったのであった。
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