冒険家の夢

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 そして冒険の出発の日となった。  冒険家は、今回は小型ヨットで大陸間の海を渡ることにしていた。  お金持ちは最新の装備に身を包み、興奮が抑えきれない様子だった。 「では、出発します。」  こうして見送りのいない港から、冒険家とお金持ちは出港した。  やがて陸が見えなくなり、一面海に包まれた。  時には暗闇で嵐に襲われ、高波に飲まれながらも、何日もかけてヨットは陸地を目指した。 「いやあ、大変だとは覚悟していましたが、はるかに予想以上です。」 「おや、もう嫌になりましたか?」  ある穏やかな波の日の夜、冒険家とお金持ちは星空を眺めながら話していた。
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