冒険家の夢

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「ビールで乾杯と行きたいところですが、これで我慢してくださいね。」  冒険家は持参した栄養ドリンクを自分で1本持ち、お金持ちにもう1本を渡した。 「ありがとうございます。いや、これまで飲んだどのお酒よりもこれが最高ですよ。」  お金持ちは蓋を開けると一気に飲み干した。  冒険家は再びヨットに腰かけると、またポツリと話し始めた。 「幸福量を地球全体で共有しているっていう話をご存じですか?それを聞いて私はとても納得しました。」  お金持ちも、その話題はニュースなどで見て知っていた。  とある科学者が発表した研究結果で、地球上には一定の幸福量が決まっており、それが配分されているという考え方であり、当初は懐疑的に見られていたが、じわじわと信奉者が増え、今山若い世代を中心に浸透している考え方であった。 「今この考え方も普通になってきましたね。人によってはまだ信じてない人もいるみたいですが、私も思いますよ。幸福量が決まってると。」
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