第10話 黒狐

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「刑事さんが、ここにいていいの?」 「へ?」 「もう始まりますよ。大きな宴がね。そうでしょ?あんたまで、行く必要無くない?」 いつからそこにいたの? 朝姫の後ろに控えていた、黒い狐の仮面を被った人。 「さっき、アジトがわかったと連絡あってね。彼らだけでも、間に合うんだけど。私も行かないと、示しつかんでしょ?」 「あんた、喧嘩したことないじゃん」 「んー、少し蹴りを入れたことあるよ。ちょっとした仕事の関係で。マキさんとセンさんが、こんなことになってしまったのは、ほんとにごめんなさい。葵さんは、必ず奪還する!」 「ちょっと、貴女誰なの!」 仮面をゆっくりと外す。 「た、珠葵…」 高校生の頃とは、面影はあるが雰囲気が違っていた。かつての友人。 「久しぶりね、羽月。奈良鷺街東区に浴矢会のアジトがあるよ。行かないの?」 珠葵だ。雰囲気違うけど、ほんとに珠葵だ。 めちゃくちゃ綺麗になってんじゃん。
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