第10話 黒狐

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「こ、小早川?」 「刑事さん、初めまして。白塚組3代目組長 白塚珠葵です。以後お見知り置きを」 「なっ……!」 ヤクザと元ヤンが繋がっている? どういうこと? 「んじゃ、もう行くね」 「珠葵、絶対帰ってこいよ!」 「うん。葵さん連れて、必ず帰るね」 そう言って、珠葵は病室を後にした。 「神崎、行くわよ!」 「はい!」 海弥たちも急いで、浴矢会のアジトへ向かった。 「朝姫さん…」 マキが目を覚ます。 「大丈夫?ありがとう」 「すみません…葵が…」 「うん。大丈夫よ。ゆっくり休みな」 「は、はい…」 マキ、センの分までやってくるか。 病院を後にした朝姫は、昔使っていた廃工場へ向かった。 「ん?なーんだ、わかっていたのか…」 爆音を鳴らすバイクが数台。 「朝姫さん!マキとセンのこと、聞きましたよ。行きましょうよ!」 「来るなって言われていたけどね。アイツ1人で行かす訳に行かないのよ。てめぇら、覚悟出来てるか?」 「おおーーーー!」 珠葵、ごめん。 巻き込みたくないってのは、わかってるよ。でもね、これは、あたしの意地だよ。
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