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地下室では、蒼貴が伸びていた。
耳の近くで発砲音を聞いたせいで、気絶していた。
葵が閉じ込められている檻は、溶かされている。
「あの、助けてくれてありがとうございます。貴女は…」
「葵さん、お久しぶりです」
仮面を外した素顔は、昔、一度だけ会った顔だった。
「珠葵さん!」
「今は、ここを抜けましょう。他の人は、いるかな?」
「えっと、こっちです」
地下室を抜けて、他の人が閉じ込められている部屋へと向かった。
一足遅く、地下室に着いた構成員たち。
「か、会長!」
「しっかりしてください!」
「う…お前たち…」
目を覚ました蒼貴を見て、構成員たちは、安堵する。
黒い狐を被った3人も駆けつけた。
ん?檻が破壊されている?
これって…。
溶けていた。
「お前ら、アイツの仲間か?」
と蒼貴。
「アイツって?」
「貴様らと同じ仮面を被ってんだよ!だから、仲間だろ?」
イラついて、口調も荒らげる。
「さあな。つーか、俺らしか今回来てませんが?」
この檻の溶け具合、ほんとに数分前まではここにいた事になる。こんなこと出来んのは…アイツだけだ。来るなんて聞いてねぇぞ?全く。
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