愛し愛され生きていく

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「今日は恭也という男が迎えに来て、一緒に島の中を散歩してもらうから」 「はぁ!?意味わかんねーんだけど…」 翌朝俺は自分が作った味噌汁を飲みながら見ていれば、だし巻き卵に伸びていた手が止まる。俺は昨日思ったことを包み隠さず言えば、眉間にシワが寄せられる。 「なんだよ…俺の世話が面倒臭くなったから体のいい女探して押し付けようって?そういう奴だったんだな」 「そうは言ってないだろう?何故そうなった。俺では子供は産んでやれないし、雪那には家族の暖かさというものに触れていてほしいと思った」 「うるせーよ!!お前も俺が邪魔なんだろ出てけよ!!!!」 「違うそうじゃない!」 俺が否定したが味噌汁をかけられてしまい、熱かったが冷やす事もせず家を出て行った。怒らせてしまったが、言い方がまずかったのだろうか?ふむ…頭が冷えた頃にまた行ってみよう! 診療所へ向かいそこで服を脱いでやっと冷やした。とりあえず恭也には行かなくていいと連絡をし、俺は往診へ向かう為に他の服を恭也に借りて着替えた。 島の人々の中には雪那は雪の権化だと言うものがいて、一度も雪を見たこともない老父が言うにはこの島は暖かすぎて普通の雪だと溶けてしまうから人に化けて来たらしい。あの儚さは確かに雪の権化のようだなと頷く。 島の女性の中には雪那と結婚したいと言っている者もいた。会わせてやろうかと思ったが、まだしばらくは無理だろうな。
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