愛し愛され生きていく

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翌朝俺は外に出て伸びをして、綺麗な空気を胸いっぱいに吸い込んだ。本来なら大声を出したいのだが迷惑以外何物でもないので、深呼吸にとどめた。 今日もまた島に人が来る。働きに出た人が帰ってきたり観光に来たり、療養の為に。 恭也と共に軽トラックに運ばれてきた荷物を載せていれば一人の若そうな青年に目が行った。白の短めの髪に藤色の瞳で、温かい島だというのに白のカッターシャツに黒のロングコートを着ていて胸元には十字架のネックレスをぶら下げている。 他にも目を引かれた要因はある。膝の上に重そうなキャリーバッグを乗せ、車椅子を動かしていた。周りの人は話しかけようか悩んだりしているものの、話しかける勇気がないと言わんばかりに見ている者もいた。 「良かったら乗って行かないか?」 俺が声をかければ藤色の瞳が俺を捉える。ふいと顔をそらされ、車椅子を動かし行ってしまった…彼はどうして車椅子なのだろうか?どうして一人なのだろうか? 「すまない恭也!俺は彼を追う」 「あっ!ちょっ…!」 俺は走って彼を追った。まだそんなに遠くに行っておらず、あっさり見つけられた。やはり誰も迎えに来てはおらず、俺は地図を広げてみている彼の後ろから地図を見た。赤丸がされている場所には確か誰も住んでいない空き家があったはずだ…
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