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「さぁ準備は整った!いざ向かおう!」
「ちょっ!なんなんだよ!?」
俺はまた青年の意思を無視して家へ連れ帰る。見違えるように綺麗になった家を見て、青年は目を見開いて驚いている。
「相談があるのだが聞いてはくれないだろうか?」
「な、なんだよ…」
しゃがんで見上げれば少し戸惑った表情をされてしまった。
「俺をこの家に置いてくれないだろうか?家事全般は任せて欲しい!他にも色々手伝わせてほしい!それを条件に是非!」
「あんた家は無いのか」
「んー…無いというより居候状態で、なんというか夫婦の邪魔になってしまっているようで申し訳なくてな?」
俺が言えば頭にポンと手を置かれた。その時フッと笑った顔がとても綺麗で俺は心を奪われてしまった…
「俺こんなだから迷惑しかかけないぞ?」
「かまわない!他の方が来たら帰るしな!」
「他なんて…こねーよ。捨てられたみたいなもんだし…」
そのまま話を聞いてみれば、兄夫婦に子供が出来て両親は孫の面倒が見たいが為車椅子の青年が邪魔になり島に家を買いそこで療養をしておいでという名目で追い出されたらしい。
「ふむ…では俺は心置き無くここで住めるわけだ!よろしく頼む!えっと…」
「長谷川…長谷川雪那」
「俺は八神リクだ。よろしく!」
手を取り握ればまた嬉しそうに目を細めて笑った。とりあえず抱き上げて家の中を見て回る。風呂とかも段差が多く、雪那一人で過ごすには大変な造りになっている。
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