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6-2.🍑
香ぃ、私お紅茶いただくわ。あなたどうする?」
「ミルクティーにしよっかな」
母は、本当に5~6分で紅茶を飲み干し、せわしなく家を出て行った。
年老いた母を、あちこち動かせて本当に申し訳なく思い、また
有難くも思った。
母がいなかったら、私はもっともっと凹んでいたことだろう。
本当に困った時、適材適所じゃないけど、ちゃっちゃっと動いてくれる人が
いるってすごいことだとしみじみ思う。
病人は、環境を整えてくれる人がいないと生きづらいものだから。
母が求人を出してからたった1日で3人の応募があったらしい。
早ければ早い方がいいから、声だけの面接で速攻決めたと聞いた。
ひとりめは学生で、もうひとりはこの町内の人らしく60才くらいだとか。
ふたりに決めたのはどちらも他ではアルバイトをしてなくて、週1~週4
くらいまでが希望だったからと。
2時間位を目安に来てもらうことにしたからね、ということだった。
早く決まって良かった。
じゃないと、母によけいな負担がかかるもの。
「香ちゃん、早く決まってお母さん、ほっとしたわ」
「うん、私もなんか安心したぁ」
「「よかったねっ!」」
「あぁそうそう、ふたりともね運転できるから病院もお願いできるのよ」
「わぉ~、それは助かるぅ~、体調悪くて運転するのほんとっ怖いから」
「もう無理しないで。
誰も運転してくれる人がいない時はタクシー使おう?」
「ほんとっ、そうします」
前回自分で運転して行ったけど、やっぱりすっごく不安だったから
ほんとにそう思う。
貯金もあるし、こんなふうに困った時に使わなきゃだわ。
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