171人が本棚に入れています
本棚に追加
2. ☑
" 波紋 Ripple 2 "
そう、あれは結婚して半年と少し、正確には8か月過ぎた頃の
ことだった。
ほんとにそれは突然起きた。
朝起きると昨日までの自分とは違う身体になっていて、ちょっとした
パニックに陥ったほどだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
先に起きてリビングで寛いでいた夫を呼び、身体の異常を訴えた。
「どうした?」
「なんか、おかしいの身体の調子が・・」
「どんな感じ? 起きられないくらい酷いの?」
「うん、胸がむかむかして起きるとすごく怠いの」
「分かった、じゃあしばらく寝てなよ。俺はなんか作って食っとくからさ」
「ごめんね」
「平気へいき、早くよくなるといいな」
笑顔でそう言ってくれた夫は、台所へと向かった。
そして朝食を兼ねたブランチを食べ、夫は仕事先へと出かけて行った。
風邪を引いたわけでもないのに、この怠さ、しんどさといったら
半端ない。
これは寝てるだけで自然に治るものだろうか・・。
不安になった私は母親に電話した。
「香ちゃん、もしかしたら妊娠ってこともあるから診察受けるのは
慎重にしないとね。お母さん、今から支度したらすぐにそっちに
行くわ」
「ありがと、お母さん」
最初のコメントを投稿しよう!