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3.加筆修正有 🍑
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" 波紋 Ripple 3 "
うちのマンションはオートロック式になっているので
母親が到着すると、鍵を開けるために起きてインターホンに付いている
ボタンを押さなければならない。
大体の身支度ができた私はそれまで少しでもと、また布団に
潜り込み母親を待った。
母親は運転ができない。
免許を持ってないのだ。
来る道々、母はいろいろと考えてくれていたみたいで、家に着くと
前もって連絡して話をつけてあった医療関係のタクシーを呼び、私を
病院へ連れて行ってくれた。
妊娠の可能性もあるということで慎重に検査をしてもらった。
妊娠でないことは確実となった。
そして紹介も伝手もなく飛び込んだ病院だったが殊の外、丁寧な対応を
してもらえた。
血液検査と超音波検査。
後日の予約をして私たちは帰路についた。
「おかあさん、今日は本当にありがと。お世話かけました」
「いいわよぉ、そんなこと。
次の予約の日も車の運転が危うそうだったら今日使った医療関係の
タクシー使うといいわ。
料金のことは言ってられないから」
「うん、すごく調子が悪かったら次回もそうするわ」
帰宅後、母親が簡単な食事を作ってくれたので、ふたりしていただき、
その後私たちは食後のコーヒーをゆっくりと味わい、ほっと
一息ついたのだった。
そして、コーヒーを飲み干したあと、ほどなくして母は帰って行った。
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