星が映る前夜

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明日は元日。今日は大晦日。 布団に入りながらドキドキしています。夜が明けると、ある舞台を観劇する日になります。3年ほど前から応援してきた方に久しぶりに会える日です。大晦日特有のそわそわに加えて、期待に胸がふくらみ、いっそうそわそわしています。 そのまま、夢を見ました。暗闇の中に浮かんでいました。ふと、大きな星が自分の近くにふよふよ泳いできて、気がついたら同じ星がまわりに浮かんでいました。暗闇の中で、大きな星に囲まれて、キラキラと周りが輝いた時、夢から醒めました。 私が楽しみにしている舞台は、本日が千秋楽、すなわち公演最終日です。2ヶ月ほどのロングラン公演となっているので、観る人も演じる人も思いはひとしおです。同じ役に取り組み続けた役者の人々は、舞台の空気を味方にしながら、舞台を作り上げます。毎日違う空気の中で芝居を作ります。元旦に千秋楽を迎えるということもあり、今日はいつもよりも劇場内の空気が明るい感じがします。正月の陽気。劇場に入った方ならわかるかもしれませんが、大きい会場だと客席が2階、3階という構造になっていることもあります。 この芝居には「鏡」が出てきます。飛行機をモチーフにした舞台でした。物語のラスト。飛び立つ様を見せる大きな機体のセットが、舞台の後方に設置された大きな鏡に映し出されます。そのセットとともに、キラキラと客席の光が映る演出です。豪快なセットの輝きに圧倒されます。 舞台で目に写った景色は、 目に焼きついたまま、 なかなか色褪せないものです。 今日の舞台では、公演最終日を迎えた観客の人々の涙も映っていました。このラストシーンが、今日はよりいっそう輝くように見えました。 ふと、夢のことを思い出しました。舞台の感動に浸りながら、自分の記憶をなんとなく繋ぎ合わせます。夢の中では大きな星から発せられる輝きだけでなく、小さな星もたくさん集まって、光に包まれているような感覚に陥っていたことを思い出しました。夢の感覚を明確に思い出すことはなかなかないのですが、「あ、同じだ。」と直感的に心が動きました。 今、舞台上で繰り広げられる景色が 夢に見た景色と交わっていました。 今日も夢を見ました。千秋楽を観たあとだったのでストンと眠りに落ちました。今日は大草原で寝っ転がって、見たことないくらい大きな太陽が、サンサンと輝いていました。 目に映る景色が ときめきと繋がっていく、 そんな日々が続きます。
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