1人が本棚に入れています
本棚に追加
い第十七話「フォロアーを増やすにはどうすればいいですか?」
田中「先輩、フォロアーを増やすにはどうすればいいですか?」
福田「あほう!お前は何様だ?偉そうにフォロアーなどと言うな。フォロアーさまと呼べ」
田中「はっはい」
福田「お前は、基本的なSNSの礼儀がわかっていないようだ。したがって、」
田中「はい」
福田「今日は『フォロアーさまへの接し方』の勉強からはじめよう」
…………
福田「まず基本的な考え!フォロアーさまは大切な大切な奥さんだと思え!」
田中「……」
福田「というのも、どのSNSも基本は『フォローとフォロアー』の2種類だ」
田中「なるほど……する方とされる方!」
福田「すこし表現がいやらしいが、まあそういうことだ。でだ、ここは日本だ、一夫一妻制だ。お前の奥さんは何人だ?」
田中「今はいませんが、娶(めと)るとすればもちろん一人です」
福田「となると「フォローとフォロアー」のふたりだけになるので、淋しいので、SNSは一夫一妻制の日本ではない!」
田中「大きく出ましたね!」
福田「ああ、でだな、もし一夫多妻制だったら、いったいお前は何人の奥さんの面倒を見れると思う?」
田中「そうですねえ。7人ぐらいですかねぇ……」
福田「うむっ、お前も大きく出たな! しかし、7人を満足させられるか?」
田中「まあ、一日一人位ならと考えたものですから……」
福田「では、その7人の奥さんが、順番に朝晩と要求してきたらどうする」
田中「予想外の質問だ!うーむ、朝晩×7人=一日14Hか。かなり体力が必要ですねえ」
福田「えーい、朝昼晩プラスおやつタイムにも要求してきたぞ」
田中「質問の意図がつかみにくいですが、回答としては、そうなると寿命が縮むでしょうねえ」
福田「そうだろう。もともとお前はフォロアーさんのことを大切にしておらん。我が家に嫁いでもらったからには、何人であっても最大限のサービスをしなくてはならん」
田中「確かに……」
…………
福田「ではここからが本番に向けての練習だ」
田中「アイアイサー」
…………
福田「フォロアーさんがつぶやいた。イヤンそこじゃないとつぶやいた」
田中「……はあ?」
福田「あほう、だから本番に向けての練習だ!すぐに対応しろ!」
田中「はっ はい」
福田「フォロアーさんがつぶやいた。もっと左よとつぶやいた」
田中「もっと左かい、とつぶやき返す」
福田「うーん、まだ甘いな。続きいくぞ。フォロアーさんがつぶやいた。そこそこそこよとつぶやいた」
田中「ここでいいかいとつぶやき返す」
福田「あんあんいいわとつぶやいた」
田中「いきなりレベル高いですね!」
福田「馬鹿もん、集中せよ集中」
田中「はっはい!アンアンの続きだから、うんうんいいねとつぶやき返す。
福田「えんえんもっととつぶやいた」
田中「おーおー最高とつぶやき返す」
福田「乗ってきたな、だがこれからだ。次の奥さん現れた!」
田中「えっまだ途中ですけど、もう次の奥さん登場ですか」
福田「あほう、ツイッターとはそう言うものだ。私はお隣の奥さんよ」
田中「来るもの拒まずいらっしゃいとつぶやき返す」
福田「あらあなた、なかなかご立派でと奥さんつぶやいた」
田中「そう言う奥さん、あんたも好きねとつぶやき返す」
福田「にゃんにゃんにゃんとつぶやいた」
田中「わんわんわんとつぶやき返す」
福田「うっふんアッハンもうだめなのよとつぶやいた」
田中「大爆発だーとつぶやき返す」
福田「休むまもなく次の奥さん」
田中「えーいまとめて面倒見てやらーとつぶやき返す」
福田「だいぶフォロアーさんの扱いなれてきたようだな」
田中「なんだか僕、調子が出てきました」
……………ああ、結局今日も、何がなんだかわからない…………
とつぶやく作者でございます。
最初のコメントを投稿しよう!