「福田と田中」サラリーマンを笑えわば笑え！

い第一話「おしりの穴が一番かしこい」

　福田「田中、人間の身体の中で、一番、かしこいのはどこだと思う」
　田中「そりゃ、やっぱり物事を考える脳が一番でしょうね！」

　福田「俺もずっとそう思っていた。しかし、先ほど考えを改めた」
　田中「もっと賢いところがあるのですか？」

　福田「脳みそより賢いのは……お尻の穴だ！」
　田中「お尻の穴？」

　福田「そうだ、お尻の穴だ！」
　田中「どうしてですか？」
　福田「そんな事も解からんのか」
　田中「はあ……」

　福田「お尻の穴は……」
　田中「はい」

　福田「『うんこ』と『おなら』の区別が出来る」
　田中「？？？」

　福田「俺はさっき、お腹がゴロゴロと鳴ったので、てっきりおならだと思ったのだが、お尻の穴はガンとしてうんこ、だと主張するのだ。だから、しぶしぶトイレに入ったら、うんこだったんだ」
　田中「それで先輩、幸せに満ち溢れた顔をしてトイレから帰って来たんですね」
　福田「そうだ。もし、お尻の穴の言う事を聞いていなければ、今頃は大変な事になっていたに違いない」

　田中「本当ですねえ、僕もこれからお尻の穴を大切にしま……しま……はっ！先輩、となると、おしっこの穴は……」
　福田「ばかっ。おしっこの穴は、おしっこしか……はっ」

　田中「おしっこの穴は」
　福田「違うものが」

　田中「出る」
　福田「出る」

　田中「それを間違えれば……」
　福田「間違えれば……」

　田中「とても」
　福田「大変な」
　福田・田中「（声をそろえて）……事になる！」

　田中「なのに今まで間違った事はない！」

　福田「田中、やっぱ、人間の身体で一番、偉（えら）いのは、おしっこの穴だな！」
　田中「そうですね、すごい発見しましたねえ」

　福田「それにしても、やっぱり、人間ってすごいなあ！」
　田中「やっぱり人間の身体って、どこも天才ですねえ……」

　ああ、この二人、言っている事は合っている様なのだが、それにしても……。