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「それで私から提案があるのだけど、私は癪だけど皇太子妃。皇族だからダンジョンの認可は出せるわ。だからもう一度潜らない?」
「む、しかし」
「俺は断然賛成。後ろでぎゃーぎゃー言うだけの役立たずよりリーナとパーティ組みたい」
うわぁ推しにパーティ組みたいって言われたらこんなに心高ぶるものなのか。益荒男になった気分だ。
「でもリーナは出られないだろう?」
「今も別のメイドの名前を借りてこのジーナと二人で潜ってる。1ヶ月で22階層まで潜ったのよ」
「そりゃすげぇな」
「二人とも認可がなくて入れないんでしょう?」
「そうだ。もう国に帰ろうかと思っていた」
「俺も。まじやってらんねぇ」
「この4人で魔王を倒しましょう!」
「「ああ!」」
「それで底上げ用の装備を作ったんだけど……」
リーナが机の上に2着の装備を出す。
カイルとライナスがアルフレッドのパーティを抜けたと聞いてから急いで作ったものだ。
「……変わった服だな」
「防御力低くない?」
「ふふふ。そこは心配しないで。見て。関節部分や布地の場所に応じてバフを縫い込んでいるの。着ているだけで強化されるってわけ。戦闘の時にはさらに重ねがけするわ!」
とりあえずといって装備させた。
二人は変な顔をしてるけれど何て心がときめくのでしょう。イベントで取得できなかったカイルの武者鎧とライナスの浴衣!
「思ったより重くはないのだな。強度が気になるが」
「ハイヤードライアドの皮から作ったから強度は折り紙付き。全体的に速度強化を入れてあるから動きは格段によくなると思う」
「このローブ、やけにヒラヒラしてるんだね」
「ガーディアンスライムでコートしたから全体的に魔法補助とリフレクト効果が乗ってる。軽いし既存の軽鎧の上から着られるから楽だと思う」
そして初めて4人で潜ったダンジョンで4階層を更新した。新記録だ。
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