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◇
糞。糞。糞。
なんでこう上手くいかない。何故だか城の中の空気がとても悪い。確かにメンバーをチェンジして効率は落ちた。それはロゼッタとクララベルのレベルが俺たちに比べてまだ低いからで……。
いや、考えてもしかたない。
「リーナ、今日も綺麗だよ。早く良くなってね」
「はい、アルフレッド様のご無事をお祈りしております」
モブ女の反応はいつもと同じでつまらない。どうせ中身は何も考えていないのだろう。それにこの女はどことなく前世の彼女を思い出す。いつもカイルとライナスを同じパーティにいれていたからな。
パーティは妙にギスギスしていた。
キャスリーヌとロゼッタ・クララベルの価値観のずれが顕著だった。キャスリーヌはなんだかんだ公爵令嬢で一戦ごとに軽い休憩を求めて魔術具を軽く点検するが、2人は敵を倒せばそのままでロクな装備の手入れもしない。そんなものは後でまとめてやればいいと言う。
昼飯も食わず乾いた野菜や豆を齧るだけだ。一度分けてもらったがボソボソしてろくに味もしないものだった。俺とキャスリーヌは軽食を持参している。一度用意するか聞いたらペースが乱れると断られた。2人は仕事と割り切って気にしないようだが異常に気まずい。
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