secret 1

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私が来ても全く微動だにしない副社長は、余程疲れているのだろう。 どれだけ軽薄であろうが、仕事には妥協はない。 そんな副社長に気づかないふりをしていたことが申し訳なくなり、いつもカバンに入れてある自分のストールをそっと副社長にかけると部屋を出た。 そして今日のスケジュールを確認する。 いつもは副社長の言われるままにスケジュールを立てていた。 完全に技術畑の副社長より、私の方が得意とすることも本当はあると思う。 そんな事を思いながら、私は受話器を取ると電話をした。 時計を確認すると、九時を少し回ったところだ。 朝礼にもでないことを伝え、私はビルの下に入っているショップに向かうと、サンドイッチを前に動きを止めた。 二年近く仕事をしているが、副社長の好みも何も知らない。興味がなかったとはいえ自分でもそのことに驚いた。
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