Secret Love

secret 2

Side　誠

「副社長、失礼します。今日はきちんとご自宅でお休みください」

俺は今日一日を不思議な気持ちで終えようとしていた。

どちらかというと、自分から何かをするタイプでもないし、言葉を発する子でもないと思っていた。

それはこの二年、俺が持っていた秘書の水川さんの印象だ。

大人しく地味な服装を好み、いつも俺を真っすぐに見ることもない。だからと言って仕事ができないというわけでもなく、言ったことは確実にスピーディにこなしてくれる。
それだけで俺は満足だった。
親父から俺の女癖を心配してこの新人を秘書にしたと聞かされた時も、全く問題ないと思った。
むしろ、俺に色目を使ってくる他の女子社員に比べたら、雲泥の差があると思う。

しかし、今日は本当に驚いた。
いつもは勝手にスケジュールを調整することも、ましてや俺に食事を買ってくるなどない。