secret 2

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会社から一〇分ほどの自宅のマンションへと帰ると、黒のパンツにシャツを着て、白の薄手のシャツを手にすると家を出た。 飲みに行くときは副社長とか、肩書とかそういったものが解らないようにしている。それを知って近づいてくる人間にはうんざりだ。 弘樹とのいつもの待ち合わせの場所である、歩いてすぐのBARの扉を開けた。 店内は、外の外装のイメージよりかなり広く、スポーツ観戦や、ダーツ、ビリヤードなどもでき、週末の店内は人ごみに溢れていた。 そんな中、弘樹を探すことは困難で、俺は周りを見渡した。 「誠さん」 不意に顔なじみの店員に呼ばれ、俺はそっちを見た。 「弘樹見てない?」 俺の言葉に、まだ二十歳を過ぎたばかりであろう、その彼は笑顔で指をさす。 「向こうのカウンターにいますよ」 「ありがとう。よく入ってるな」 俺は礼をいうと奥へと向かう。少し歩くと弘樹の姿が見え、俺は少し歩調を速めた。
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