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「なあ? どっちが本当のお前?」
「え?」
少し眠そうな副社長だったが、さらに私の全身に視線を向ける。
「別人みたいだ」
アルコールのせいなのか、初めてみる妖艶で大人の雰囲気を纏った副社長に、私は一歩後ろに後ずさる。
しかし、そこに段差があり、私は倒れそうになっていしまい、慌てて手をテーブルに伸ばした。
その手はあっさりと副社長に取られ、グイっと引き寄せられる。
「あっぶな」
そう言いながら、抱きしめられるような形になり私はもはやパニック寸前だ。
「あの、すみません……だから離して」
しどろもどろに言った私に、副社長はさらに言葉を重ねる。
「会社のお前は……あっ、やばい」
「え?」
その言葉の意味がわからず私は声を発した。
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