secret 2

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「眠たい……」 「ちょと! 副社……」 「誠」 副社長と呼びそうになった私を制止すると、副社長改め誠は、私の手を取った。 「弘樹、俺達帰るわ」 「え?!」 その言葉に驚いて私は声を上げたが、誠は有無を言わさず私の手を引いて店を出た。 「ねえ、お金も払ってないし、それに……」 「そんなの弘樹に出させとけ。二人っきりにしてやったんだし」 「え? わざと?」 そのために店を出たのかと、私は誠をジッと睨みつけたが、そこにはかなりトロンとした瞳があった。 「そんな事言ってますけど、本当は酔ってるし限界ですよね」 それにすら返事をせず、誠は顔を手で覆う。 「家はどこですか?」 その問いに誠はすぐそばに見える、タワーマンションを指さす。 「え? あそこ?」 「ごめん……送れない……」 送るよりも、自分が帰れないじゃない。そうぼやくこともできず私は大きなため息が出る。 今にも座り込みそうな誠を放置することもできず、私は誠の腕を取ると歩き出した。
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