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雨が激しく降る寒い夜、僕は体を丸めて店の裏の軒裏に見つからないように隠れていた。 裏の扉が開くと、店のオヤジが目ざとく僕を見つけた。 「この!汚い糞ガキが!邪魔だどっかに行け!」 ガンッ!と何かを投げつけられる 「うっ…」 思いっきり何かが頭に命中すると、目の前には血のついた石が落ちた…目の前が真っ赤に染まっていく…僕は恐怖でザーザーと降りしきる雨の中、道に飛び出していった。 空腹の中、薄着と裸足でかけていると人か道を開ける…まるで汚い物に触れないようにするかのように…その顔は憎いものでも見るかのように何もしていない僕を睨みつけていた…。 どうにか雨が凌げそうな場所に来ると、バタッと倒れる、最後の力を使ってしまった…もう動けない 寒くて…空腹、もう泣く力も無くただ空と地面を見つめていた… 誰も助けてくれない、みんなもう僕が見えていないように通り過ぎて行く… もう…疲れたなぁ…楽になりたいな… そう思い目を閉じる。 次は雨が凌げるだけの屋根がある所に産まれますように… 僕は生きる事を諦めた… 僕はお母さんと二人で小さな家に住んでいた。 お父さんはいない…でもいつもお母さんの元には男の人が来る。 あれがお父さんなのかな? その疑問は直ぐに解けた。 男の人が来る日は部屋の木箱に入っていろと閉じ込められた…だから僕は男の人が来る日はあまり好きでは無かった。 ある時あまりの空腹にお腹の音がなってしまう…すると… 「なんだ!今の音は!」 男の人が僕の腹の音に気が付き部屋中の物を蹴り飛ばし暴れだした! お母さんがなんでも無いと誤魔化すが、木箱を蹴られると僕は外に放り出されてしまう。 「な、なんだ、このガキは…もしかしてお前の子か?」 男はお母さんを軽蔑するように睨む! 「ち、ちがいま…」 僕は咄嗟に否定をした方がいいと思い声を出すと… 「ち、違う!そんな訳無いじゃない!知らない…知らない!こんな子知らない!」 お母さんが僕の言葉を遮り僕を睨みつける… 「さっさと出てけ!何覗きなんてしてるんだ!このエロガキが!!」 僕に言葉を投げつける…僕は恐怖で動けずにいると 「いつまでいるんだ!さっさと出てけ!」 男は僕の首根っこを掴むと外に放り投げた! 「この辺を彷徨いてみろ!次は殺すぞ!」 バタンッ! 扉が勢いよく閉まると同時に僕は捨てられた…僕と同じ髪の色と瞳の男の人は僕の目を見ることは無かった。 「はっ!」 僕は捨てられた時の事を思い出し、ガバッと起き上がった! ゆ、夢…? 「うっ…」 頭が痛む…昨日の傷かな…体の痛みがまだお前は死んでいないと言っているようだった… 「なんで…」 僕は自分の不運に愕然とする、僕は死ぬ事も許されないの?幸せにもなれない死ぬ事も出来ない僕に残された道は一体なんなの… もう涙も出ずにいると… あれ…なんか温かい… 少し落ち着いて周りを見ると何処かの家の中の様だった…しかもベッドで寝ていたようで布団までかけられている。 「どうしよう…」 清潔そうなふかふかの白い布団が僕のせいで汚れていた。 血の気が引く… 「怒られる」 お母さんに叩かれる…ブルっと震えていると気がついた。 あっ…僕は捨てられたんだ… 嫌な事を思い出すと、ポロッと涙が出てきた 僕がもっといい子なら 僕がもっとちゃんとしてたなら… 捨てられなかったのかな… 僕は布団をギュッと引き寄せると駄目とはわかっていても綺麗な布団を涙で濡らしてしまった。
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