序章
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序章
「じゃあな、良いお年を。」 「寂しくて泣くんじゃねえぞー!」 肺を凍らすような朝の空気の中、友人達が口々に別れの言葉を告げながら遠ざかっていく。彼らが実家に帰省する中、俺はまた1人、このだだっ広い寮に残るのだった。 「ばーか、泣くわけないだろ。楽しんでこいよ。」 軽く手を振り、友人達を見送る。姿が見えなくなったところで踵を返し、錆びた重いドアを閉めた。 また、長い休みが始まった。
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