もう暴言を吐かれるのは懲り懲りです

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 提出する英語のワークに集中するふりして、あやから逃げようとする。  俺はお笑い芸人じゃない! プロの人と違って、トーク力や盛り上げる技量なんてない。  この「なんか面白い話ない?」っていうのは、あやが悪口や嫌がらせする材料を探るために聞いてるものだ。 「ほんとにないの?」  あやは俺の顔を近づけて尋ねるが俺はスルーをした。  やなこった。というよりあやに対してだよ! 言いたいこと色々あるのは!  その瞬間、あやは日本史の教科書の角で、俺のおでこ目掛けてぶつけてきた。  あの地味に分厚いあの教科書の角でやられると痛い。  強い声であやに「何すんだよ! 痛いじゃないか!」と聞く。 「えーん、てっちゃんが私に怒鳴った! モラハラだよ?」  口角を釣り上げながら笑うあや。  
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