もう足踏んづけられるのは懲り懲りです

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 てっちゃん、やっと一緒に学校通えるね! よろしく!  入学式の日、あやは校門の立て看板の前で一緒に写真撮るよう言った。  俺の母は俺があやのことが苦手なのを知っているので「これから家族で……」と遠回しに断ったが、あやの母の押しによりなし崩し的に撮影した。  パッとしない男子が可愛い子と一緒に写真撮ってるのだ。周りの視線が痛かった。羨望だったり妬みだったり。  入学早々同級生からあやとの関係を根掘り葉掘り聞かれ、しばらくの間昼休みは図書館に籠るようになった。  あやは学校に張り出される上位十人の名前の常連で、ボランティアや先生の手伝いをしていたので、推薦で生徒会に入った。学年では人気者だったから。  サバサバしていて、はっきり言う。相手を説得させるような澱みない口調。  でも、俺は知ってる。気に入らない同級生の悪口や地味な嫌がらせをしていることを。しかも気づかれないように。
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