大型犬後輩にしれっと誘われちゃった話

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「初めて会った時から俺のモノにしたいと思ってたんです」  ようやく匠君が明かしてくれたけど、それはピロートークとは言い難い。  一回で終わりだと思ったのに、ベッドで始まった第二ラウンド。今や延長戦?  そんな風に見えなかったなんて口を挟む余裕もない。 『今まで我慢してた分、愛したい』  匠君がそう言うから貪り合うように愛し合って、バックでした時には犬はどっちだって思いもした。  いつのまにか私は匠君のフェロモンに引き付けられていたのかもしれないし、最初からだったのかもしれない。  でも、そんなことはどうだっていい。 「も、むりぃ……」  ベッドの上でべちゃっと潰れるアラサー。そう歳は変わらないと思っても大違い。色々無尽蔵過ぎてついていけなくて、それでも匠君は「まだできますよね?」って容赦なく続けてきた。案外Sなのかもしれないし、私もなかなかMなのかもしれない。  わかるのは、今夜はもう帰れないってこと。それもいっか、って思ってるんだからどうしようもない。
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