大型犬後輩にしれっと誘われちゃった話

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「うちで飲みませんか? 俺がメシ作るんで」 「え……?」  思わぬ誘いに理解が追いつかない。本当にこれは現実? 飲み会のメンバーの中にいたことはあるけど、サシで飲むなんて今までなかった。それも家で、なんて。料理が上手いとは聞いてたけど……  いや、本当にこれは現実? 「言いにくい愚痴、いくらでも聞きますよ」  ゴクリと喉が鳴った。  神崎君はうちの近くのマンションに住んでて、初めて会った時もそれで盛り上がった。楽してご飯が食べられて飲めて、愚痴を聞いてくれて、終電とかの心配もない。何それ、最高のサービスじゃない?  いいの? いいの、これ。反射的に頷きそうなのに、躊躇う。魅力的すぎて怖い。うまい話には裏があるって言うし。後でめちゃくちゃ高額な請求きたりしない? 「下心はあるので、来るか来ないかは先輩次第です」  そう言い放った大型犬だったはずの後輩は紛れもなく男の顔をしていた。  そんな冗談言うんだなんて笑えないくらい、真っ直ぐに熱のこもった目で私を見つめていた。
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