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「俺がほしいって思ってくれてるんですか?」
顔を上げた匠君と目が合ってドキッとする。
お互いが求めていることはもう隠しようがなかった。
私もしてあげよう、してあげたいって思ったのに、やんわりと拒否されてしまって今に至るけど。
「ほしい……」
欲求不満だったんじゃないか。誰でも良かったんじゃないか。そんな風に思う部分はあった。
だけど、今、はっきりした。
匠君がほしいし、求められたい。忠実な大型犬のフリをしていたケダモノに食べられてしまいたい。
「瑞希さん……!」
「んぁっ!」
切羽詰まったような声で私を呼んで、片足を持ち上げられて、性急に匠君のモノが入ってきた時、歓喜で震えた。
熱くて、とても硬いのに奥まで一気に貫かれて、やっぱり久しぶりだったから少し苦しい。
それなのに、そんな圧迫感さえ嬉しい。愛おしい。
大きな体にギュッとしがみつくのはそれだけが理由じゃなかったけど。
「みずき……っ!」
遠慮なくぶつけられる欲望が嬉しい。
明確な言葉を匠君がくれたわけじゃない。言って欲しいとは思う。どうして、こんな風に私を求めるのかを。
でも、匠君が体で伝えようとしてるのがわかる。どうして、とかそんなことより、今匠君に抱かれている事実が全てだった。
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