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決意
明日は映画館の最寄り駅で待ち合わせをすることにした。隣の家なのに、と言われたけれど、ちょっと他に用事があるからと言い訳をして駅で会うことにしてもらった。だって、その方がデートみたいでしょ?
そして帰ってからわたしは緊張とそわそわと不安で、感情が賑やかに騒ぐのを抑えられなかった。
プレゼントの手袋を丁寧にラッピングしながら、それを受け取るトモの顔を思い浮かべる。『いいじゃん、これ』『ありがとな、莉奈』。笑っているトモの顔を想像しながら、わたしは決意する。
──明日のトモの誕生日。手袋を渡しながら、告白しよう──
ずっとずっと、温めてきた想い。笑った顔が好き。からかうような、ちょっと意地悪なところが好き。お腹が痛いときや困ったとき、すぐに気付いて助けてくれる優しいところが大好き。
──あのね、トモ。わたし、トモのことが好きだよ──
とびっきりの笑顔でそう言いたいな。そうしたらトモ、あなたは喜んでくれるかな──。
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