プロローグ

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プロローグ

みなさんは恋をしたことがあるだろうか。 俺は今している。 誰にかと言うとーーーそれは、 ーー2日前 俺はこの春から大学生になった。 俺の学校は学食などなく、みんなお昼は食べに行くか持参していた。 俺はいつものように、行きつけのコンビニに行った。 このコンビニは家と大学からも近い事から小さい頃から使っていた。 俺は自動ドアのスイッチを押し中に入った。 テーレテレテーレ いつもの聞き馴染みの入店音とともに入店した。 その時の事だ…… 「いらっしゃいませー!」 毎日のように通っている俺が聞いたことの無い声だった。 俺はとっさにその声の方を向いた。 そこには慣れない雰囲気でレジ打ちをしている美女がいたのだ。 俺彼女に見惚れその場で立ち止まっていた。 テーレテレテーレ 「おいっ! 邪魔だろ早くどけよ」 「あ、す、す、すみません……」 俺は他のお客さんが入ってきたことに気づいておらず怒鳴られてしまった。 俺は気を取り直し買い物を始めた。 「えっと、飲み物とガムと……」 俺が口に出しながら買い物をしていると、 俺はいきなり肩をトントンとされた。 「ちょっと」 俺が振り向くとそこには俺の知っている顔の女性がいた。 「佳奈!」 そこには俺の幼馴染の今野佳奈がいた。 今野佳奈とは産まれた時からの幼馴染で小中高と一緒でおまけに大学まで一緒なのだ。 佳奈は俺の顔を見るとほっぺを膨らませ明らかに怒っていた。 「か、かな? どうしたんだ?」 「しょうくん! なんで約束破ったの!」 「や、約束?」 「……」 佳奈は急に黙り込んだ。 「しょうくんなんて知らない!!」 佳奈は怒りながらコンビニから出ていった。 「なんなんだあいつ」 俺は首を傾げつつ買い物を続けた。 「よしっ! 必要な物は人通りカゴに入れたし、会計して大学行くとするか」 俺はレジにいき会計をしようとカゴをレジに置いた。 「いらっしゃいませっ!」 元気な声で挨拶をする店員はさっきの美女店員だった。 俺は軽く会釈すると、財布をあけお金を払う準備をした。 俺は冷静を装っているが内心はとてもドキドキしていた。 (な、な、な、な、なんだよこの子!? めちゃくちゃ美人!) 彼女は見るからに美女で黒髪ロング、目が透き通っている、誰もが彼女の事を美女と言うだろう。 それだけじゃなく、スタイルはモデル並みの細さで、レジ越しじゃ下半身は見えないが、見なくてもわかる細さだった。 「お会計は777円です! レジ袋は入りますか?」 「お、お、おねがいひます」 俺はあまりの美しさに動揺が隠せなかった。 さっきまでの冷静はどこへ行ったと言わんばかりに動揺していた。 俺は落ち着くためにどこか別の場所に視線を置き落ち着こうと考えた。 お金を出さずに彼女の名札を凝視した。 「あ、あのお客様、お金を……」 「あ、あっ! 忘れてた、ごめんなさい」 急いでお金を出し買ったものを貰い出ようとした。 「あっ!」 物を貰う時、彼女は優しさから袋の持ち手を俺に持ちやすいように渡してくれた。 その時だ 俺の手が彼女の手に少し触れてしまったのだ。 「ご、ごめんなさい!」 焦った俺は逃げるように店を出ていった。 男としてとてもダサい、 店を出て歩きながら彼女のことを考えていた。 名札の横に着いていた初心者マーク、多分最近バイトとして入ったのだろう。 「楠木かぁ〜」 彼女の名札には楠木と書いていた。 彼女の苗字なのだろう。 「また会えるといいな」 これが俺、水原尚哉の初恋の始まりだった。
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