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このスプリングコート、アンナやケイティに似合いそう。
欲しい、だけどお金がない。
『いつも素敵な服を紹介ありがとうございます。スプリングコートもとても素敵です。
ただ今月は金欠な為、購入は見送りたいと思います』
『4月は色々お金が必要になりますね。このスプリングコートは是非とも美沙様にお渡しさせて頂きたいと思っております。もしよろしければ今回に限り、私から美沙様に2枚プレゼントさせて頂きますが如何でしょうか?』
石川店長のメールを見て驚いた。スプリングコート1着で1万円するのに、2枚もプレゼントしてもらえるの?
もちろん欲しい。ドールのアンナやケイティだって、すごく喜ぶはず。
私の両親はお金には厳しかった。ただより怖いものはないと言っていたのを覚えている。
どうして店長はプレゼントしてくれるのだろう? 下心がある?
だけど、店長は私の顔を知らない。顔も知らない女性に下心を抱くはずないよね?
『嬉しい申し出をありがとうございます。でも、無料で商品を頂く訳にはいきません。お心遣いありがとうございます』
残念に思いながらも、断りのメールを送ると、すぐに石川店長から『プレゼントに気を使われる様なら、半日ほどドールハウスLでアルバイトをしてみませんか? 美沙様のセンスでドールの服にアドバイスを頂ければ幸いです』と返信がきた。
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