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「特に意味はないです。すみません。さあ、行きましょう」
これ以上聞かれるのが嫌なのか、白井さんはさっさと歩いて行くので、私も追いつこうと早足で歩く。
白井さんは加藤様の家の正面玄関ではない方に歩いて行く。
「ここになります」
白井さんが裏口のインターホンを押すと、まるでボディガ-ドの様な屈強な男性が出て来た。
「加藤様よりお聞きしております。アニ様、ご案内致しますのでこちらにどうぞ」
白井さんと私が靴を脱ごうとすると、その男性が「白井さんはここでお帰り下さい」と有無を言わせない口調で言う。
白井さんは困った顔をしたものの、逆らう事は出来ないと感じたのか「わかりました。美沙さん、頑張って下さい」と言って、帰ってしまった。
1人になって不安を感じているけど、逃げる事も出来ず、男性の後について行く。
「ここです」
男性に案内されたのは、20畳はありそうな地下室だった。
私と男性以外誰もいない。
「あの、私は加藤様の人間ドールとしてここに来たのですが、どうして地下室に?」
男性が行ってしまえば、私はこの広い地下室に一人きりになる。怖くて聞いた。
「ご主人様は人間ドールに飽きたそうです。そこで余興の為に、ここに人間ドールを集めてゲームをすると聞いています」
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