ドール

6/21
前へ
/180ページ
次へ
お洒落な建物を想像していたけど、普通のビジネスホテルの様な外観で、少しガッカリした。 入り口のドアを開けると、ロビーになっていて、受付でアルバイトに来た事を伝えると、スタッフがすぐに店長を呼んでくれた。 スタッフはみんな黒のメイド服を着ていて、美しい人ばかりだ。 「美沙様。ドールハウスLへようこそ。さっそく店内を案内してさせて頂きます」 石川店長の写真はドールハウスLのHPに貼られているので、イケメンな事はわかっていたけど、実際に会ってみた方が写真の何倍も素敵だった。 黒のタキシードに身を包んだ石川店長に丁寧に挨拶をされると、まるで店長が執事で、私がお姫様になった様に感じられた。 「よろしくお願いします」 緊張しながら挨拶をすると、店長は「2階に参りましょう」と言う。 エレベーターの前まで移動すると、ちょうど1階にきていたエレベーターの ドアを、石川店長が手で押さえて、先に私を入れてくれた。 2階に着きエレベーターのドアが開く。そこは私の大好きなドールの世界だった。 ヨーロッパ調の壁紙と高級感漂うインテリア。 壁にある美しい棚には、100体を超えるドール、衣装やハウス、家具が並べられている。
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加